2018/2/20 イケハヤ仮想通貨ラジオ 『勘違いされがちな「非中央集権」のメリット。』書き起こし

 

voicy.jp

タイトルコール

イケダハヤトの仮想通貨ラジオ。

この番組は仮想通貨を楽しく学べるメディア、ビットデイズの提供でお送りいたします。

 

ブロックチェーンの革命性

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さてさて、今日は仮想通貨の話を久しぶりにしたいなと思います。

 

無事に子供が産まれて病院から退院して、少し時間が取れたので静かな車の中で収録をしております。

 

さて、どんな話をするかというと、「非中央集権」というテーマについて語っていこうかなと思います。

 

ブロックチェーンと仮想通貨のすごく重要な特徴として「非中央集権」ということが頻繁に言われます。

英語で言うと「ディセントラライズド」(Decentralized)、「センター」ではない、ディセントラライズドという表現になります。

https://twitter.com/coincoin__info/

 

非中央集権のメリットその1「管理者がいない」

この非中央集権というのは、なかなか理解されにくい言葉なのかなというのがあって、僕自身も最近まで実は、よく意味が分かってなかった・・・

中央集権ではないという意味はもちろんわかるんですけど、じゃあ非中央集権だと何がいいことあるの?というのが、なかなか理解しにくいところがありますし、よく勘違いされてるなというのを感じます。

 

ビットコインは非中央集権、つまり管理者がいない。

で、世界中の誰もがみんなで管理するみたいなコインですね。

 

なので政府が規制することも困難ですし、実際に、もう本当に「ビットコインは禁止だ!」って言ったって、多分それを禁止することはできないんですよ。

中国ですら多分禁止はできないんじゃないでしょうかね。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54139

 

なので、非中央集権的であるというのは、政府が規制するのが非常に難しいというのが一つのメリットではあるんですけど、果たしてじゃあそれだけなのかというと全然そんなことはないと思うんですね。

 

非中央集権のメリットその2「データの共有」

どういうことかというとですね、非中央集権の一番大きなメリットというのは、実はデータを共有できることだと思うんです。

 

これ、なかなかちょっと分かりにくいんですけど、管理者がいないというような状況でいろんなものを作っているのが、今のブロックチェーンの状況なんです。

 

管理者がいないという状況というのは、データについても実は同じで、ブロックチェーン上のデータというのは、みんなで共有しているんですよ。

 

だから僕らは、たとえばブロックチェーンのアプリケーション、ブロックチェーンを使ったアプリケーションを作る時に、実はもうそこにあるデータというのを利用することができて、データに紐付くアカウントなんかも、みんなで共用利用できるようなイメージが・・・ちょっと分かりにくいですかね・・・あるんですよ。

 

もう少し具体的な話をしてみると、今ちょうどICOトークンセールを控えている「オリジン」というプロジェクトがあります。

https://www.originprotocol.com/

 

これ、すごくわかりやすい図がウェブサイトに書いてあるんで、図を頑張って言葉で説明しようと思います。

 

オリジンというプロジェクトは何をしようとしているかというと、シェアリングエコノミー、何かを共有する仕組みですよね。

 

車を共有したり、家を共有したり、情報も共有したり。

いろんなものを今共有しているわけですよ。

 

こういうものをもっともっと促進するためのプロジェクトが、オリジンというものです。

 

じゃあオリジンは具体的に何をしようとしているかというと、物を共有したり情報を共有する時のルールを作ろうとしています。

 

それが「オリジンプロトコル」という表現になっています。

 

たとえば、僕が誰かに自分の部屋を貸したい、Airbnbと一緒ですね、自分の空いている部屋とか、空いている家を貸したいと思った時に、オリジンプロトコル、オリジンのルールに則った情報の形式でそれをアップするんです。

https://www.airbnb.jp/

 

もうオリジン側から情報のフォーマットが提示されているんですね。

なので、オリジンのサイトにアクセスして、自分の部屋の情報なんかを入力すると、それはもう自動的にオリジンプロトコルにのった情報になります。

 

このオリジンプロトコルにのった情報というのは、ブロックチェーン上に刻まれるので、誰でも閲覧することができるんですね。

 

オリジンはそんな感じで、世界中からいろんな情報、共有される情報というのを、プロトコルというルールを決めることによって集めていく予定だそうです。

 

僕らは、たとえばそのオリジンプロトコルにある情報っていうのは、誰でも使うことができるようになっている仕組みになっています。

 

これ、けっこう革命的で、たとえばオリジン上に100万件ぐらいの物件の情報がのってきたら、その物件の情報をキュレーション、自分達で集めて、たとえば日本だけに情報を特化した物件の情報サイトとかを作ることができてしまうんですね。

 

自分達で情報を集めなくていいんですよ。

僕らがたとえばAirbnbみたいなのを作ろうとした時には、やっぱり物件のリスティング情報を集めるのはすごく大変なわけですよね。

「みなさん、うちのサイトに投稿してください」みたいなことを頑張ってアピールして物件の情報を集めていくと。

 

オリジンプロトコルは、それをやる必要がなくなる社会というのをこれから描こうとしていると。

すごく革命的ですよね。

 

「オープンデータ」という言葉だとわかりやすいかもしれません。

プロトコルにのった決まりごと、一定のルールにのったデータというのを集めていく、で、その集まったデータというのはみんなで使っていきましょう、それはブロックチェーン上に刻まれるので、誰も改ざんすることもできないし、コピーすることもできませんよというようなルール作りというのを今、オリジンという人達がやろうとしているんですよね。

 

これ、凄くね、非中央集権的ですよね。

誰かがデータを管理しているわけではないんです。

オリジンというのはあくまでルールを作っているだけなんで、オリジン自体ですらも、データは管理していないわけですよ。

そのプロトコルを整備しているだけなので。

 

じゃあオリジン側には何のメリットがあるかというと、今の構想だと、オリジンプロトコルにのったデータを扱う時に、ちょっと「オリジントークン」という、オリジンコインみたいなのを払わないといけない。

たとえば僕が、オリジンプロトコルのデータを使って物件情報サイトを作ろうと思った時には、オリジンのお金を事前に購入して、オリジントークンでたとえばデータを引っ張ってくる時に、そのお金を払わなきゃいけない、だったりというような仕組みになっているみたいですね。

 

なので、オリジンというのはそのプロトコル、ルールを整備することによって、ある種利益を得ているプレーヤー。

今までの企業だと、自分達でデータを囲い込む、Airbnbだったら、物件の情報というのはひたすら情報を自分達で囲いこんで、それに価値を与えていたものですけど、オリジンの時代になって変わってくるわけですよね。

 

これが非中央集権であることのすごく具体的なメリットですよね。

今までだったら企業が頑張ってデータを集めて、自分達の競争優位性を作っていたところが、これからはブロックチェーンの時代なので、データというのは共有されると、誰もデータを管理していない、データというのはみんなで持っているもの、共有財になるわけですよね。

その共有財を元に、いろんなものを作ることができる。

 

ついでに言うと、イーサリアムのアプリなんか触ったことのある方は気付くと思いますけど、あれ、よく出来ているアプリだと、会員登録がないんですよ。

dAppsが凄い!ゲームのイーサエモン攻略でお金を増やしてみよう | ワルコイン 仮想通貨の開拓レポート:ICO分析・詐欺調査・お金の検証

 

もう自分のウォレットでログインしてしまったら、どんなサービスであろうが瞬時に使えるんですよね。

わざわざAirbnbに登録するとか、Gmailに登録するとか、つまりわざわざ個人情報をユーザーが登録する必要がなくなるんですよね。

 

これもすごく、まだまだ見えてきていないですけど、ブロックチェーン時代の非常に大きな意味がある変革なのかなというのを感じています。

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非中央集権のメリットまとめ

というわけで、非中央集権というのは、政府が規制できない、そういう、もちろんメリットもあるんですけど、それに留まらず、データ自体が誰のものでもなくなっていく、みんなでデータを共有してみんなでブロックチェーンにデータを刻んでいくと、僕らはそのデータを自由に使うことができるし、もちろん政府の規制をそこで受けることもないと。

 

これから多分、今僕が話しているようなことっていうのは、すごく世の中にいい意味で伝わってきて、いろんな事例が出てきて、やっぱりブロックチェーンのほうが全然便利だと、今までっていうのはすごく古くさいことをしていたんだな、というのに気づき始めるのが、2020年ぐらいですかね。

 

このラジオは非常に未来を先取りしているので、まだ「イケハヤは何を言っているんだ?」みたいな感じかもしれませんけど、いずれ聞き返したら「ああすごいね、言っている意味、そういうことだったのか」と分かっていただけるんではないかなと思っております。

 

終わりのあいさつ

というわけで、非中央集権のメリットについて語りました。

 

非常にざっくりまとめると、非中央集権化することによって、データというのが共有財になっていくと。

今までは企業がデータを独占していたものが、みんなで管理するようになっていく。

そして政府が規制することができない、もちろん大企業が規制することもできない。

そういうようなところが、非中央集権、ディセントラライズドの革命的な部分であるという話でございました。

 

なかなかこれ、まだ事例が少なくて、具体的にじゃあそれがどういうふうに動いているの?って、まだ説明するのが難しい状態なんですけど、多分これから分かりやすく、いい事例がどんどん出てくるかなと思います。

 

僕のブログのほうでも頑張って解説をしているので、ぜひ読んでみてください。

http://www.ikedahayato.com/20180219/74520746.html

 

 

イケダハヤトの仮想通貨ラジオ。

この番組は、仮想通貨を楽しく学べるメディア、ビットデイズの提供でお送りいたしました。

https://bitdays.jp/

 

それでは皆さん、よい一日を。